リネンの必要枚数(パー数)の計算|適正在庫を使用量×サイクルで設計【2026年版】
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リネンの必要枚数(パー数)の計算|適正在庫を使用量×サイクルで設計【2026年版】

2026年7月26日21分で読める

リネンサプライで新規顧客に用意すべき必要枚数(パー数)は「1日あたり使用枚数 × 循環サイクル日数(回収→洗濯→納品)× 安全係数(通常1.2〜1.5)+ 予備枚数」で算出し、使用中・洗濯中・予備の3層を同時に満たす循環枚数として設計します。新規契約の見積りを作るとき、用意する枚数が少なすぎれば洗濯が追いつかず品切れになり、多すぎればリネンの購入コストと保管負担が膨らみます。本記事は、貸す側(リネンサプライ事業者=発注側)の立場から、契約前に必要循環枚数を設計するためのパー計算モデルと、業種別の目安、見積りへの落とし込み方までを整理します。

結論:必要循環枚数は『1日使用量×循環サイクル日数×安全係数+予備』で決める

リネンサプライの必要枚数(パー数)は、1回転分の使用枚数だけでなく、回収してから洗濯・仕上げを経て再び納品できる状態に戻るまでの「循環サイクル日数」を掛け合わせて算出します。リネンサプライは、繊維製品を貸与し、使用後に回収して洗濯・仕上げし、再び貸与することを繰り返す事業です(日本リネンサプライ協会(JLSA))。この循環の途中にある枚数まで含めて用意しないと、現場で使えるリネンが足りなくなります。

1日使用量×循環サイクル日数×安全係数+予備で必要循環枚数を求める計算式と、使用中・洗濯中・予備の3層構造を示した図
1日使用量×循環サイクル日数×安全係数+予備で必要循環枚数を求める計算式と、使用中・洗濯中・予備の3層構造を示した図

つまり必要循環枚数は、(1)顧客先で使用中の枚数、(2)回収され洗濯・移動中の枚数、(3)欠品や季節変動に備える予備枚数の3層を同時に満たす総量です。この総量を契約前に見積もっておけば、初期に用意する枚数と、そこから逆算する単価・請求の設計まで一本の線でつながります。

算出した必要枚数を単価マスタに登録しておけば、預け在庫の増減や月次請求の集計まで同じ枚数データで運用できます。リネンサプライHUBは配送員がスマホのブラウザで入力した実績から預け在庫が自動で増減する設計です。

パー数とは何か:使用中・洗濯中・予備の3層と「セット数」との違い

パー数(par)とは、現場の運用を止めないために保有しておくべきリネンの循環セット数を指す実務用語です。1パー=現場で1回使う分と考えると分かりやすく、実際には洗濯中の分が必ず存在するため、2パー以上でなければ回りません。

3層構造:使用中・洗濯中・予備を同時に満たす

必要枚数は3つの層に分けて考えます。第1層は顧客先で使用・保管されている枚数、第2層は回収されて洗濯・仕上げ・移動の途中にある枚数、第3層は破損交換や需要の波に備える予備枚数です。洗濯・仕上げには専用の設備と工程を要するため(厚生労働省 クリーニング職種資料)、第2層は必ず一定量が滞留します。この滞留分を見落とすと計算が足りなくなります。

発注側「パー数」と利用者側「セット数」の違い

利用者(施設)側が言う「セット数」は、1床あたり何枚あれば足りるかという利用現場の必要量です。一方、供給する事業者が設計するパー数は、洗濯循環の途中在庫まで含めた供給責任量です。同じ「必要枚数」でも、利用側は使う分、供給側は循環全体、と視点が異なる点を押さえておくと、見積りの前提がずれません。

循環枚数の計算モデルと各変数の決め方

計算式の各変数をどう置くかで必要枚数は大きく変わります。ここでは変数ごとに決め方の考え方を整理します。

循環サイクル日数・安全係数・予備率の3変数について、決め方の考え方と数値の目安を並べた計算モデルの解説図
循環サイクル日数・安全係数・予備率の3変数について、決め方の考え方と数値の目安を並べた計算モデルの解説図

各変数の意味と決め方

変数意味決め方の考え方
1日あたり使用枚数品目別に1日で使われる枚数客室数・病床数・席数×稼働率×1日回転から見積もる
循環サイクル日数回収→洗濯仕上げ→再納品までの日数集配頻度と工場のリードタイムで決まる(多くは2〜3日)
安全係数需要変動・欠品を吸収する掛け目変動が大きいほど高く(目安1.2〜1.5)
予備枚数破損交換・季節ピーク用の上乗せ使用中在庫の1〜2割を目安に別枠で確保

出所:リネンサプライHUB 預け在庫機能の設計思想(自社試算モデル・目安値)

安全係数は「変動の大きさ」で決める

安全係数は、需要のばらつきが大きいほど大きく設定するのが基本です。在庫理論でも、需要の変動幅(標準偏差)とサービス率に応じて安全在庫を上積みするのが一般的な考え方とされています(サイクル在庫と安全在庫の解説)。曜日や季節で使用量が跳ねる業種ほど係数を高めに、毎日安定して使われる業種は低めに置く、と考えると設定しやすくなります。

業種別 循環サイクル日数・安全係数の早見表

必要枚数の変数は業種の使われ方で傾向が変わります。以下は発注側が初期設計の当たりを付けるための目安です。実際の値は各顧客の稼働・集配条件で調整してください。

ホテル旅館・病院医療・飲食・介護の業種別に、循環サイクル日数と安全係数と予備率の目安を並べた早見表
ホテル旅館・病院医療・飲食・介護の業種別に、循環サイクル日数と安全係数と予備率の目安を並べた早見表
業種使われ方の特徴循環サイクル日数の目安安全係数の目安予備率の目安
ホテル・旅館客室稼働率で日々変動2〜3日1.3〜1.515〜20%
病院・医療毎日安定・感染対応で増2〜3日1.4〜1.515〜20%
飲食曜日・繁閑の波が大きい1〜2日1.2〜1.410〜15%
介護日々安定・汚染で交換増2〜3日1.3〜1.515〜20%

出所:リネンサプライHUB 機能設計思想(自社試算モデル・業界慣行を踏まえた目安値/実測の削減効果を示すものではありません)

早見表の使い方

たとえば1日使用枚数100枚・循環サイクル3日・安全係数1.4の場合、循環枚数は100×3×1.4=420枚、これに予備率15%(約63枚)を加えて約480枚が初期に用意する目安になります。あくまで設計の出発点であり、稼働実績が見えてきたら実数で補正していく前提の数値です。

算出枚数を新規契約の見積りに落とす:枚数→単価マスタ→月次請求

設計した必要枚数は、そのまま見積り・契約・請求の土台になります。枚数の設計と料金設計を別々に管理すると転記ミスや齟齬が起きるため、同じ枚数データを起点に流すのが実務のコツです。

枚数を起点に単価・請求まで一気通貫にする

初期に用意する循環枚数が決まれば、品目別の損料・レンタル単価を掛けて見積りを作れます。契約後はその枚数を単価マスタに登録し、月次請求の集計まで同じデータで回せます。品目別単価の積算や契約単価・請求の設計はリネンサプライの契約単価と請求の実務で扱っています。手集計や紙伝票で枚数を持つと、契約数と実在庫の照合が毎月の負担になりがちです。

初期に用意する循環枚数を起点に、品目別単価で見積り、契約後は単価マスタに登録し、月次請求の集計まで同じ枚数データで一気通貫にする流れを示したフロー図
初期に用意する循環枚数を起点に、品目別単価で見積り、契約後は単価マスタに登録し、月次請求の集計まで同じ枚数データで一気通貫にする流れを示したフロー図

納品後:計算値と実在庫のズレを預け在庫・数量差異で補正する

パー計算はあくまで契約前の設計値です。運用が始まると、紛失・破損や需要の変動で計算値と実在庫は必ずずれていきます。そこからは、現在庫を把握して差異で補正するフェーズに移ります。

契約前のパー計算による設計値から、納品後に現場記録と数量差異レポートで実在庫を補正していく流れを示したフロー図
契約前のパー計算による設計値から、納品後に現場記録と数量差異レポートで実在庫を補正していく流れを示したフロー図

現場記録と数量差異レポートで実数に寄せる

配送員が回収数・納品数をその場で記録すれば、顧客先ごとの預け在庫を実数で追えます。リネンサプライHUBでは入力実績から預け在庫が自動増減し、棚卸しで確定した差分を数量差異レポートとして出力できます。納品後の現在庫の数え方は顧客に預けたリネンの枚数を正確に把握する計算モデル、預け在庫管理の全体像はリネンの預け在庫管理 完全ガイドで詳述しています。棚卸し作業そのものの効率化はリネンの棚卸しを効率化する方法を参照してください。設計値と実数を突き合わせて次回契約の安全係数を見直せば、パー計算の精度が回を追うごとに上がっていくことが一般的に期待できます。

よくある質問

リネンの必要枚数(パー数)はどう計算しますか?

「1日あたり使用枚数 × 循環サイクル日数(回収→洗濯→納品)× 安全係数 + 予備枚数」で算出します。使用中の枚数だけでなく、洗濯・仕上げ・移動の途中にある枚数と、需要変動や破損に備える予備を同時に満たす循環枚数として設計するのがポイントです。循環サイクル日数は集配頻度と工場のリードタイムで決まり、多くの場合2〜3日が目安になります。

安全係数はどのくらいに設定すればよいですか?

需要の変動が大きい業種ほど高く設定します。目安は1.2〜1.5で、曜日や季節で使用量が跳ねる飲食などは低め、毎日安定して使われ感染対応で増える医療などは高めに置くと設計しやすくなります。在庫理論でも需要の変動幅に応じて安全在庫を積み増すのが一般的とされます(サイクル在庫と安全在庫の解説)。運用が始まったら実績で見直す前提の数値です。

パー数と利用者側の「セット数」は何が違いますか?

セット数は施設側が「1床あたり何枚必要か」を示す利用現場の必要量です。供給する事業者が設計するパー数は、洗濯循環の途中在庫まで含めた供給責任量で、通常はセット数より多くなります。利用側は使う分、供給側は循環全体を見る、と視点が異なる点を押さえておくと見積りの前提がずれません。

業種によって必要枚数の設計はどう変わりますか?

使われ方の波と汚れ方で変わります。ホテル・旅館は客室稼働率で日々変動するため安全係数を高めに、飲食は曜日の波が大きい一方で集配が短サイクルなら循環日数を短く置けます。病院・医療や介護は毎日安定して使われ感染・汚染対応で交換が増えるため、予備率を含め余裕を持たせるのが一般的です。本記事の早見表は初期設計の目安で、実際の値は各顧客の稼働と集配条件で調整してください。

計算した枚数と実際の在庫がズレたらどうすればよいですか?

パー計算は契約前の設計値のため、運用開始後は紛失・破損や需要変動で実在庫とずれます。配送員の現場記録から預け在庫を実数で把握し、棚卸しで確定した差分を数量差異レポートに残して補正します。ズレの実績を次回の安全係数や予備率にフィードバックすれば、設計精度が回を追うごとに高まっていくことが期待できます。

算出した必要枚数は見積りや請求にどう反映しますか?

初期に用意する循環枚数に品目別の損料・レンタル単価を掛ければ見積りを作れます。契約後はその枚数を単価マスタに登録し、月次請求の集計まで同じデータで運用すると転記ミスや契約数と実在庫の齟齬を防げます。枚数の設計と料金設計を同じデータで一気通貫にするのが実務上のコツです。

まとめ

リネンサプライの必要枚数(パー数)は、1回転分の使用枚数ではなく「1日使用量×循環サイクル日数×安全係数+予備」で循環全体を満たす総量として設計します。使用中・洗濯中・予備の3層を見落とさないこと、安全係数を業種の変動の大きさで決めること、そして契約前の設計値を納品後に現場記録と数量差異で補正していくことが、品切れとコスト過多の両方を避ける実務です。リネンサプライ市場は回復基調にあり(矢野経済研究所「リネンサプライ市場に関する調査(2024年)」2023年度4,551億円・前年度比108.5%)、適正在庫の設計は新規獲得と利益確保の土台になります。


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リネンサプライHUBは、配送員のスマホ現場入力から預け在庫が自動増減し、算出した枚数を単価マスタ・月次請求まで同じデータでつなげます。1名あたり月額2,980円(6名以上・税込)から、初期費用30,000円(税込)でご利用いただけます。

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